モンテッソーリ教具は、主に5種類の分野に体系化されています。
子供達の敏感期を基礎として作成されたものです。
5つの分野は、日常生活の練習、感覚教育、言語教育、算数教育、文化教育に大別されていて、モンテッソーリ教具も分野ごとに異なり、その中で更に様々な種類に分かれます。
日常生活の練習では、基本動作から生活に必要な様々な動きを習得し、自立心を養います。
本物を使い、本物の美しさや壊さぬ様に扱うことの重要性が学べます。
感覚教育に使う教具は敢えて1セットずつしか備えずに、友達が使っている間は我慢させることで、社会性やマナーを教えます。
言語教育で用いる教具は、系統立った教育内容を基に作成され、ゲームや言葉遊びを通して文法も早い段階で学べる様になっています。
算数教育の教具も同様に系統立ったものとなっており、具体的な数量の世界から抽象的な思考へと無理なく展開していける様になっています。
文化教育には、地理、歴史、音楽、地学、動植物、道徳、体育、美術など多岐にわたる分野が含まれています。
地球儀や地図が代表的ですが、モンテッソーリ教具を使い、単に地理を覚えるのではなく、世界への関心や興味を養うことができます。
モンテッソーリ教育とは、イタリア、ローマの医師であったモンテッソーリが知的障害児に施した感覚教育法をもとに完成させた、独特の教育法を指します。
この教育法で子どもを指導している施設は「子どもの家」と呼ばれ、教員の資格には国際モンテッソーリ協会が認定している国際資格があります。
日本でもこの教育法を採用している施設が多数存在し、教員養成センターや日本独自の認定資格など、教員の育成がなされています。
この教育法の特徴としては、まず、教具と呼ばれる色とりどりの木製の玩具を教材とし、子どもたちの繊細な五感をやわらかく刺激することを重要視している点が挙げられます。
それと同時に、子どもたちの知的好奇心や自発性を尊重し、そうしたものが育まれるように、教室を清潔に保ったり、子どもの視線で教室が見渡せるような配慮をしたり、「整えられた環境」を用意することも重視している点も特徴として考えられます。
そのような環境の中で、教員は各々の子どもたちの欲求に沿って教育を提供すべく、子どもたちを注意深く観察するという態度で臨むように求められており、ときに子どもの集中を妨げないように配慮したり、自発性を待つという態度が必要とされています。
こうした教員に対する要求の高さ、それを実現するための厳しい教員養成も、この教育法の特徴の一つと考えられています。
この教育法を受けた生徒の中には、著名な経済学者、世界的大企業の経営者・創立者、世界的ヒットを飛ばしたゲームの開発者などがおり、イギリス王室の成員に対してもこの教育法が採用されています。
2020/3/5 更新